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高齢者医療について

高齢者に大きな悪影響を及ぼす代表的なものとして、認知症うつ病排尿障害転倒フレイルがあります。
また、ポリファーマシーの問題アドバンス・ケア・プランニング(ACP)も大事な問題となります。

認知症

認知症認知症は単なる「もの忘れ(記憶障害)」の病気ではありません。
心や体の振る舞いに変化や障害があらわれ、人格にも影響を与える他、妄想・幻覚や抑うつ・無気力・無関心なども認められることがあります。徐々に進行していき全般的な機能低下がすすむと、意思の疎通ができない・寝たきりの状態となっていきます。癌などと比較すると、わかりづらい形でゆっくりと進行するため、いわゆる終末期医療をどうするかの相談・決定のタイミングが遅れていくことが多くなります(ゆっくりとではありますが、認知症も“死に至る病”なのです・・)。
このように課題が山積みの病気ですが、最大の問題は認知症と診断しても根本的治療薬がないことです。
対応としては、認知機能が低下しているということを把握し、困っている点を洗い出し、必要なサポートやケアを患者さんや家族の方と一緒に考えていくこととなります。日常生活の活動度はどうか/活動性を保つようにしているか、家族の介護負担はどうか、認知機能に悪影響する要素(常用している薬の副作用・視聴覚障害・併存疾患・周囲の環境の問題など)がないか、患者さん本人の価値観/人生観はどうか、などからアプローチしていくこととなります。認知症が末期となると、コミュニケーションがとれなくなる・歩けなくなる・食事が飲み込めなくなる・失禁する、といった状態になります。このため患者さん自身の意思や意向を共有するためには、予め人生の最終段階における医療について話し合っておくこと(アドバンス・ケア・プランニング)がとても重要となります。

うつ病

認知症と間違われるケースもありますが、合併していることも多いので判断が難しい場合もあります。簡便なスクリーニングとしてPHQ-2という2つの質問があります。「(この2週間で)物事に対して興味がわかない・楽しめない」「(この2週間で)気分が落ち込む・ゆううつになる・絶望的な気持ちになる」に当てはまるかを確認します。また自ら物忘れを強調されたり、昔の記憶も障害されていたり、思考スピードが遅く応答に時間がかかる様子などあれば、うつ病を想起する契機となります。

排尿障害

加齢により、膀胱に尿を溜めておく機能や尿を出し切る機能が低下します。尿失禁(尿漏れ)そのものへの対応以上に、背景にある併存疾患や薬の調整(薬は増やす前に減らすことができないかどうか)、活動性・環境(歩行状況やトイレの位置など)、介護負担などに配慮します。ただし、尿失禁(尿漏れ)が新たに又は急に悪化した場合には、背後に急性疾患などがないかも考える必要があります。例えば、感染症がないか、薬剤性ではないか(利尿薬や睡眠薬の影響等)、尿量が増えるような糖尿病や高カルシウム血症などの有無、便秘などが背景にないか、等を鑑別診断します。

転倒

転倒転倒による外傷や骨折で救急搬送されることは、医療現場の日常で頻繁に認められる問題です。
外傷や骨折の治療は当然なのですが、次の転倒を防ぐことも大事です。転倒した原因・背景を探り、それをできるだけ取り除くことを考える必要があります。転倒の要因に、薬剤・筋力/バランス障害・起立性低血圧・視覚障害・環境因子(照明・床・靴など)が悪影響していないか検討します。転倒した経緯・状況の詳細、先行・随伴する症状の有無、持病や常用薬、普段の身体機能などを確認します。転倒リスクを上げる薬剤としては、睡眠薬や抗不安薬、降圧薬などがありますが、種類に関係なく薬剤数が増えるほど転倒のリスクは上がるため、中止や減量できる薬がないか見直すことも必要となります。筋力/バランスの問題であればリハビリや歩行補助用具の使用など、起立性低血圧では飲水状況や薬剤の確認・起立時の注意(ゆっくり行うこと等)、視覚障害があれば眼科診察が大切です(例えば白内障は治療により転倒リスクが減少します)。

フレイル

フレイルとは、加齢による衰えが心や身体に出てきた状態であり、ストレスに抵抗する力がとても弱くなり、簡単に病気や機能障害に悩まされやすくなります(私見ですが、ドミノ倒しが簡単には倒れていかないのが「健康な状態」、簡単に倒れていくのが「フレイル」、すでに倒れてしまっているのが「要介護状態」というイメージです)。2001年にFreidにより診断基準が提唱・定義されてはいるのですが、筋力の測定や活動量の低下などの測定が実際的でないことから臨床現場では恐らくほとんど使われていません。
日本においては、介護保険の要介護に至る前段階に位置付けされており、転倒や要介護の状態に進むこと、持病の悪化などで入院することを予防していくことが重要となります。筋力の維持が大切であり、運動および食事(タンパク質の摂取)、持病・慢性疾患があればその管理(内服薬の見直し含めて)などが対応の軸となります。また、うつ病の有病率が高いとの報告もあり、この点も留意が必要です。
なお、日常生活における機能評価は、問診でADL(日常生活動作)・IADL(手段的日常生活動作)を確認します。
ADLは、着替え・入浴・食事・トイレ動作・排泄のコントロール・ベッドからの移乗・歩行の7項目、IADLは、食事の用意・買い物・交通機関の利用・電話をかける・金銭の管理・服用管理・清掃の7項目です。これらについて補助を要する場合には、その原因が身体的なものか精神的なもの、あるいは社会的要因なのかを考えますが、様々な要因が絡んでいることが多く、多職種が関わって、機能の改善+低下した機能の補助・負担の軽減を図っていくこととなります。
フレイルが進み要介護状態となった場合、介護の状況や体制がどうか、最適なケアをするためには自宅か施設も考えるべきか、患者さん・ご家族および多職種(ソーシャルワーカーや担当ケアマネージャー、訪問看護、施設の方など)を交えての連携・コミュニケーションも必要となります。

ポリファーマシーの問題

ポリファーマシー薬が多くなることで有害な事象が起こることに警鐘が鳴らされています。薬の種類が増える毎に副作用・相互作用から転倒のリスクが高くなることや生命予後への悪影響が指摘されています。また服薬間違い(飲みすぎ・飲み忘れ・飲み間違い)の原因にもなります。厳密な定義はありませんが、5~6種類以上の薬になると「多い」範疇であり、患者さんに有害とならないか処方の見直しを十分に検討することが大切です。高齢者においては一つ一つの病気ごとに分けて考えることは適切でなく、その方自身の治療のゴール・目標に即した処方を一緒に考え整理していくことが重要となります。
そもそも高齢者の方に薬を処方することは実はとても難しいものです。薬が体に吸収される段階では加齢による変化は少ないのですが、体内での分布の仕方や代謝、排泄の段階は影響を受けます。これにより薬の副作用が起きやすくなります。長年飲んできた薬でも必要とする量が減ってきます。副作用は明らかな形で現れることもあれば、非典型的なとても分かりにくい形で現れることもあります。とある病院で定期的に開催される症例カンファレンスでは(各地の病院が診断の難しいものばかり持ち寄られているのですが)、薬の副作用が問題であったケースが少なくありません。高齢者における新たな症状は、薬の副作用をまずは考えるべきなのです。そうでなければ、副作用に対して別の処方がされる“負の連鎖”が起きることもあります。

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)

認知症が進行したり、意思を表明できない程の容態になられたりした場合、その患者さん本人の思いを聞き取ることはできなくなります。そうなる前に、人生の最終段階における医療について話し合っておくことが大切であり、これがアドバンス・ケア・プランニングです。患者さん・ご家族が現在お持ちの病気や健康状態をどう認識されているのか、大切にしたいことや心配なことは何なのか、それらを踏まえて我々医療者と患者さん本人・ご家族と一緒に考えていくこと・その過程こそが最も必要なものとなります。人生の最期を迎えることが、つらくない筈がありません。不安や恐れがない筈がありません。だからこそ医療が苦しみ・苦痛を助長させることや、本来望まなかった筈の治療を行ってしまうことはあってはならないと思われます。その患者さんが何をどこまで希望されるのか・優先すべきことが何なのか、詰まるところ、ご本人自身からその答えを引き出すことが一番の答えになります。当たり前と思われるかもしれませんが、現状はどうでしょうか。皆さんは家族とこのような話題をされたことがあるでしょうか。人生の最終段階という話題に抵抗感はあるかもしれませんが、「自分がどういう生き方をしたいか」は「どういう最期を迎えたいか」と連続した話であり、各々の人間の価値観に委ねられる大事なテーマではないでしょうか。

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